富山第一高等学校

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実験紹介 /制限酵素によるDNA分析(2年/生物)

遺伝子工学の基礎「制限酵素」

2年の生物の授業で、「制限酵素を用いたDNAの断片分析実験」を行いました。

これは、人工合成されたλファージのDNAを3種類の制限酵素で断片化し、アガロースゲル電気泳動法でDNA断片長に応じて分離する実験です。

制限酵素とは、DNAの特定の塩基配列を認識してそこで切断する、いわばDNAの「ハサミ」です。ゲノム編集技術で用いられている「CRISPR-Cas9」に先駆けて、従来から用いられている遺伝子工学の基礎的技術の一つです。

DNAの長さを可視化する

電気泳動とは、DNAを注入したゲルに電圧をかけることで、電荷を帯びたDNAがゲル内を移動する現象です。DNAはマイナスの電荷を持っているため、電場によってプラス極の方向へと進みます。このとき、分子量の小さいDNAほどゲル内をよく移動し、より遠くまで進みます。この性質を利用して、DNAの断片の長さを推定することができるのです。

目には見えないDNAを扱うこの実験では、わずかな操作ミスが結果に大きく影響します。酵素によるDNAの切断がうまくいっていたか、ゲルへの試料の注入にミスがなかったか——その答えは、明日ゲルを染色して観察することで明らかになります。

理科の学びは、実験から。

理論を学ぶだけでなく、実際に見て、触れて、手を動かすことで、理解はより深まります。本校では、DNAの増幅や制限酵素処理、電気泳動によるDNA断片長の推定など、遺伝子工学の基礎となる実験にも取り組んでいます。

実験には、教科書だけでは得られない「納得」と「発見」があります。充実した理科設備を活用し、生徒たちは高度な実験にも挑戦しています。

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