PCR法でDNAを増幅する。
先日、今年のノーベル賞受賞者が発表されましたが、1993年にノーベル化学賞を受賞したマリス博士によって開発されたのが「PCR法」です。新型コロナの検査でもおなじみとなったPCR法ですが、ウイルスや犯行現場、環境中にあるような微量のDNAでも、それを大量に増やして調べることができる技術です。医療診断の他にも、遺伝子地図作成やDNA配列決定、犯罪捜査や野生動物調査など、今では幅広く応用されています。

犯人をDNAから特定する鑑識技術
実験の設定は、犯行現場に残された毛髪から犯人を特定するという鑑識官になるというもの。犯行現場の毛髪から取り出した微量のDNAが、唯一の手掛かり。この微量のDNAをPCR法でうまく増幅し、容疑者のDNAと比較することで、4人の容疑者(A~D)から犯人を特定します。
実験を通して、理論を体得する。
DNAのサンプルをゲルに注入して、電気泳動し、バンドを比較すると・・・犯人は「容疑者Cだ!」今回の実験では、どの班の結果も一致し、無事に犯人を特定できました。DNAを特定の配列で増幅するという複雑な過程のPCR法ですが、実際に手を動かして体験することで、その理論の理解が深まりました。本校の理科では実験を通した学びの体験を大切にしています。
